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広島風お好み焼き

【広島風お好み焼きの歴史】
 戦争で食料が不足した戦後に、少量の小麦粉と野菜を多く使用して作られるようになり、お好み焼きと称されたのが始まりである。
戦前に子供のおやつだった「一銭洋食」が元の形になっている。
近年では「ご当地グルメの代表格」ともいわれ、2006年現在、広島市だけで800軒以上広島県内には2000軒あるといわれる。
 1950年当時のお好み焼きはねぎ焼きに近い物であった。
戦争や原爆で夫を亡くし、自宅の土間を改造して店を始めた女性も多く「〇〇ちゃん」という屋号が多いのはその名残りである。
また、1963年に中国地方を襲った昭和38年1月豪雪で、中国山地の農村から一家で離村し、高度経済成長期の広島市に移住した農家の主婦が住宅地に開業した例も多い。 現在も町の小さなお店に、老婦人が一人で焼く店舗が残るのは、こうした理由もある。昭和40年代頃までは、家から卵や肉をお店に持っていって入れてもらう事が出来た。
現在は肉や卵 (合わせて肉玉と呼ぶ) は当たり前に手に入ることが多いが、昔は野菜とそばだけ、あるいは野菜だけといったことも珍しくはなく、この頃の野菜だけで作られた お好み焼きの値段は250円程度だった。また、プラスチック製や発泡スチロール製のトレーが普及していなかったため、お店で食べない場合は、各家庭から平らな皿を持っていき、 それに出来たお好み焼きをのせてもらい、新聞紙にくるんで持ち帰っていた。
もう少し時代が下ると、ラップで包んで持ち帰っていた。
 広島風お好み焼きの焼き方は、昔から今まで一貫して生地と具材を混ぜずに焼く「重ね焼き」である。当初は、肉が入っていない野菜の重ね焼きで、 二つ折りにして新聞紙にくるんで提供されていた。キャベツや揚げ玉などが入れられていたが、この頃はまだ、そば等の麺は入れられていなかった。
 円盤状のものに比べて場所をとらないため、スーパーマーケットやコンビニエンスストアの惣菜のひとつとしてもよく売られており、 またやり方によっては片手で食べることも可能になるので、祭りなどの露店ではこのスタイルで売られることもある。
戦後の食料事情により、季節により供給量が左右されるネギを、単価が安く年間通して手に入りやすいキャベツに変えた(もやしは後年入れられる事になる)。
昭和30年代になると、そば(中華めん)やうどんを入れるようになる。これは。その頃発売されたインスタントラーメンの影響ともいわれている。当時は米はまだ高価な時代だった。
広島風お好み焼きも、最初の頃はウスターソースを使っていた。多くなった具に対応するために、そばを焼そばのようにソースで味付け、さらに表面にも塗っていた時期もあった。
食文化の多様化により、とろみを持たせたソースが一般にも普及しはじめ、その中で広島風お好み焼きの生地や具材に合うように甘味や酸味を持たせたり、 液体のソース製造時の沈殿液を使うなどの改良がなされた。
こうしてお好み焼き用の濃厚ソースを「お好みソース」と呼ぶようになった。
このお好みソースでは独特の甘みを持ったおたふくソースが受け入れられ、広島県内のみならず、全国でも高いシェアを誇っている。
当初おやつ程度の物だったのが、主食に変化していった。具材が多くなったため、二つ折りにしにくくなり、円盤状のままで出すようになった。
こうして、1955年頃には現在の広島風お好み焼きになった。このように、現在のような広島風お好み焼きの完成形が突然出来たわけではない。
当初は屋台営業の為、他店のレシピや調理技術が盗み易く、各店が互いに影響を与えあいながら現在の形へと進化させていった。
名前についても、当初は決まった名前はなかった。好きな具材を入れていく事で「好み焼き」と呼ばれていたが、この名称では良くないのではとなり、頭におを付けてお好み焼きになったらしい。今となっては、何が嚆矢であるか正確なところは分からないが、自然発生的に「お好み焼き」という名前が現れ、それが一般に定着して今に至っている
(出典:Wikipedia/広島風お好み焼きの歴史より)
【広島風お好み焼きの作り方】
小麦粉を水で溶いたものを薄く伸ばして焼いた生地の上に、麺や野菜、肉といった具を重ねて焼き上げる「重ね焼き」が特徴。
生地は野菜等のつなぎとしても使われるが、お好み焼き全体に比して、使われる生地の量はごく僅かである。
これは、焼き方の違いもさることながら、具と小麦粉で出来た生地を混ぜて作る関西風の「混ぜ焼き」との大きな違いとなっている。
【作り方】
1. 水で溶いた小麦粉を円形に薄く伸ばして生地を焼く。
2. 生地の上に魚粉、キャベツ、その上に肉とその他のトッピングや天かす等を乗せ、つなぎとして少量の小麦粉を垂らしてひっくり返し、
   生地を蓋として具材を蒸し焼きにする。
3. 炒めたそば(うどん)に乗せる。
4. 卵を割って円形に伸ばし、その上に本体を乗せる。(黄身は割るが伸ばすだけ)
5. ひっくり返して卵の面を上にし、ソース、青海苔等をかけて完成。
【基本の材料】
小麦粉・水(こだわりのお店では山芋を入れる) 鶏卵 そばまたはうどん 豚肉(バラ肉等のスライス)。豚肉の代わりに牛肉などもある。 野菜 - キャベツ、もやし、ネギ、イカフライ 等
・主なトッピング
広島のお好み焼きには、定番の具材がある。
イカ、エビ、もち、チーズ、カキ、コーン、青ネギ、牛すじ、タコ、キムチ、ベーコン、鶏肉、きのこなど。 チーズやネギはキャベツと混ぜて使用することもある。
・主な調味料等
ソース(特濃ソース)、マヨネーズ、紅生姜、カツオの粉(魚粉)、鰹節、桜えび、青海苔、天かすなど。
調理の際には植物油またはラードを使用する。
・麺
焼きそば用の中華麺に塩やこしょうなどで軽く味をつけて炒めたあと、小麦粉で薄く引いた生地の上に載せ、その上に野菜や肉等の具を載せて焼き上げる。
通常の焼きそばとは違い調理時にソースで味付けしない。店舗によってはそばを炒める前に軽く湯通しして均等に火を通す場合もある。
そばに代わるバリエーションとしてうどんがあり、うどんはそばがない時などに、古くから代用されてきた。
近年では和蕎麦やパスタを用いる店舗もある。
・ソース
ソースは広島のメーカーであるオタフクソースがお好み焼き店の開業を支援していることもあり、多く利用されている。味は若干甘め。
また、カープソース(やや辛め)・サンフーズのミツワソース、センナリの広島ぢゃけん、中間醸造(三原市)のテングソースなど、いろいろなメーカーのものが使われている。
これらソース会社は、しばしば納入先のお好み焼き店に自社の名前が入った暖簾を提供しているため、暖簾にあるメーカー名を見ることで、その店がどのメーカーのソースを使っているか分かることが多い。
近年では幟(のぼり)を立てている店も多く、より分かりやすくなっている。なお、複数のソースをブレンドして用いている店も多い。
また、お好み焼きを食べるときに用いるヘラ (コテ) などの道具にも、ソースのメーカー名がついていることがある。特に、多くの小規模な店舗がある広島市内では、ソース会社がお好み焼き店の開業支援をしており、「近所の主婦」が内職で自宅の一部を改装し、安価で店を開くことが出来た。 広島県は日本酒の産地であり、そこから派生して酢の製造も盛んであった。
先述のオタフクなど多くのソースメーカーは酢の醸造会社をルーツに持ち、今もソースと酢の両方を製造している。その技術がソースの製造にも応用できたことがこれらのソースメーカーの隆盛につながり、広島のお好み焼きの普及にも一役買ったものと考えられる。
・マヨネーズ
広島では、当初お好み焼きにマヨネーズを使う習慣はなかったが、マヨネーズをかける食べ方も広がっている。
お好み焼きにマヨネーズを提供している店であっても、焼き上がって客に提供された時点ではマヨネーズがかけられていないことも多い。
このような店では、卓上にセルフサービス用のマヨネーズが置いてあり、客が好みに応じてマヨネーズを使えるようにしている。       
なお、マヨネーズを置くお好み焼き専門店であっても、店舗によっては追加料金を必要とする場合がある。
このような歴史的経緯もあり、焼き上がったお好み焼きに対して、客の好みも聞かず一方的にマヨネーズをかけるような店に対しては、これを好ましく思わない人々も多い。
・注文方法
広島のお店の注文書(メニュー)には「お好み焼き そば (うどん) 肉 玉子」という風に書いてあることもあるが、これを「肉玉そば (うどん) 入り」「そば (うどん) 肉玉」、などと注文する。
デフォルトである肉玉そば(うどん)にお好みでトッピングを付加したり、そば(うどん)抜きなどとすることも可能である。
おすすめや人気のトッピングの組み合わせは 「餅チーズ・肉玉そば(うどん)入り」などとメニューに併記したり、「スペシャル焼き」「○○ちゃん焼き」などと店舗独自の名前を付けていることもある。
そば (うどん) の下に「W」と書いてあることがあるが、これはそば(うどん)を2玉使う「ダブル」という意味である。 「ちゃんぽん」または「ミックス」いう言葉が使われている地域もあり、そばとうどんを半玉ずつ使用することを意味している。
またミックスダブル等の呼び名もありこれはそばとうどんを1玉ずつ使うことを意味している。 多くの店舗ではテイクアウトも可能であり、店舗によっては出前や電話予約などを行っていることもある。
近年では海外からの観光客のため英文のメニューを用意している店舗もある。
・食べ方
典型的な広島風お好み焼きの店は、真ん中に大きな鉄板を擁するテーブルがあり、その周辺にいくつか小さめのテーブルが配置されていることが多い。
客はお好み焼きを作る大きな鉄板の周りに座り、焼かれたお好み焼きを鉄板の上から直接小型のヘラを使って食べるのが基本である。
しかし、このような大きな鉄板のあるテーブルは店に一つしかないことが多く、鉄板で同時に食べられる人数には限界がある。
そのため、店の中には鉄板のない小さいテーブルも配置されており、鉄板で食べない場合はお好み焼きを皿にのせてもらい、箸で食べる。
歴史的には、昔からある広島のお好み焼き店は自宅を改装したようなところも多く、規模が小さい店が多かった。鉄板の周りにしか席がないような狭い店では、必然的に客は鉄板の上で食べるしかなかった。
食べている間に冷めるのを防ぎ、最後まで焼きたての味を楽しむため、また、屋台発祥の店では、皿をわざわざ洗うための水を節約するために客に鉄板で食べさせ洗い物をなくすという理由や、物が豊かではない時代に割り箸の消費量を減らすという理由もあり、ヘラで食べるようにしたところ、これが功を奏し慣習となったとされている。
近年では大きめの店が増えテーブル席が増えたことや、ヘラで食べるのは多少慣れが必要で観光客や女性には扱いが難しいこともあり、皿で出す店や出す前に皿か鉄板を聞く店も多くなった。
鉄板で出す場合も小皿や箸を用意し、卓上のソース等をお好みで自由に使えるようになっている店舗が多い。

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